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今後は進んでいく?兼業・副業の時間管理のポイント

2019.09.06

平成30年1月に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示されました。国は、「働き方改革実行計画」の一つとして「柔軟な働き方がしやすい環境整備」を掲げており、その具体策として示されたのが、このガイドラインです。

2018年リクルートキャリア(2018年10月12日)により行われた調査では、兼業・副業を容認・している企業は28.8%(前回2017調査は22.7%)、禁止している企業は71.2%に上ります。従業員規模別では10~49人の中小企業は45.4%が推進・容認していますが、300人以上は22.3%。中堅・大企業は8割近くが禁止しています。

就業規則で禁止している理由としては、「社員の長時間労働・過重労働を助長するため」が44.8%(複数回答)。次いで「労働時間の管理・把握が困難なため」(37.9%)、「情報漏えいのリスクがあるため」(34.8%)と続いています。

兼業規制の緩和と労働時間の通算等の管理責任

労働基準法第38条では、第1項で次のように定められています。

「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」

兼業・副業について労働基準法の適用に関しては、この第38条の労働時間通算規程の解釈問題が主たるテーマとなりますが、この条文の適用に関しては、短時間労働者等の二重就業等の実態があるなかでも、古くからの行政解釈が維持されてきました。その行政解釈は単に同一の事業者の異なる事業場間での労働の場合の労働時間を通算するというものではなく、「事業主を異にする場合をも含む」というものです(昭23.5.14基発769)。しかし、現実の雇用管理においては、他の事業者の下での労働時間を自社の労働時間と通算して自社の就業時間の管理を行うということは容易ではなく、この条文は実際にはあまり機能していないのではないかと思われます。学説においては、解釈論として、週40時間制移行後の解釈としてはこれを同一使用者の下で事業場を異にする場合、と解してよい、とするものがあるものの、これまで十分な議論・検討がなされたという状況にはありません。このため、ガイドラインが現行の法令の解釈として示している考え方にも、従来議論されていなかったような問題もありますので、企業として、社員の兼業・副業にどのような対応をするかを考えるについては、確認しておく意味のあるガイドラインだといえると思います。

ガイドラインでは労働者の希望に応じて原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる、としたうえで、職務専念義務や秘密保持、競業避止義務の問題、労災保険の給付、雇用保険や社会保険の適用や保険料の決定に関する問題も取り上げていますが、ここでは労働基準法や労働安全衛生法等についてどのような考え方を示しているかを確認します。

就業時間の把握

まず、事業場を異にする場合の労働時間の通算を定めた現行の労働基準法第38条について、「事業場を異にする場合」とは、事業主を異にする場合も含む、という行政解釈を確認した上で、労働基準法の労働時間規制が適用される副業・兼業先での労働時間については、「労働者からの自己申告により」把握することが考えれられる、としています。

ガイドラインは、具体的なQ&Aを設けていますが、労働基準法第36条の協定(36協定)の締結届出や第37条の割増賃金の支払義務を負うのは、当該労働者に法定労働時間を超えて労働させた使用者であるという原則論の下に、一般的には、通算により法定労働時間を超えることとなる所定労働時間を定める労働契約を時間的に後から締結した使用者が、契約締結に当たって当該労働者が他の事業場で労働していることを確認した上で契約を締結すべきであるという考え、及び通算した所定労働時間がすでに法定労働時間に達していることを知りながら労働時間を延長するときは、先に契約を結んでいた使用者も含め、延長させた各使用者が義務を負う、という考え方を示しています。そのうえで、具体的な例を掲げてその場合の解釈を示していますが、その解釈は、成り立ちうる1つの考え方を示したものと考えたほうが良いのではないかと思われます。

ガイドラインは前述のように就業時間の把握については自己申告により兼業先での労働時間を把握することが考えられる、としています。自己申告の結果によっては自社がどのような勤務を命じた場合に時間外労働等の責任を負うかを把握できることになりますが、そのことは把握した事実を前提にした責任を負うということにもなるということでしょう。根本的には兼業を前提にした労働時間についての法38条の規制の在り方の見直しと新たなルールの明確化が必要と思われますが、当面は兼業を積極的に推奨するのであれば、Q&Aなどに示された事例を参考にして考えるのが良いようです。

健康管理

使用者は、副業・兼業の有無にかかわらず労働安全衛生法に基づく健康診断等を実施しなければならないが、常時使用する短時間労働者の判断に係る所定労働時間の考え方については「副業・兼業先における労働時間の通算は不要である」という基本的考え方が示されていますが、「副業・兼業を推奨している場合は・・・副業・兼業の状況を踏まえ健康診断等の必要な健康確保措置を実施することが適当である」ともされています。

兼業を一律に禁止するにはそれが自社への労務提供義務や職場秩序維持に明らかに支障をきたすような事情があることが必要と考えられますが、そのような状況がないからといって逆に兼業を積極的に推奨するとすればそれ相応の施策を講じることが求められる状況にある、ということを念頭においてそれぞれの会社の現在の仕組みの趣旨目的と就業規則等に定められたルールを改めて見直し、状況に適した仕組みの在り方を考えるべきだと思われます。

まとめ

兼業・副業が、本来の業務に支障をきたすようでは、会社としても認めるわけにもいきませんので、あくまでも自社の実態に沿った制度づくりが必要となります。社会の流れが兼業・副業を推進していくような流れになってくると、兼業等を一切認めないということが社員の不満を招きかねない状況にもなる可能性もあります。

今一度、自社の実態の確認と、就業規則の見直しが必要ではないかと思われます。

広島で就業規則の作成・見直し・分析は、当事務所までお申し付けください。

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